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ヘルスケアセクターの将来 - アナリストの視点
ローラ・ ネルソン・カーニー
株式アナリスト
キーポイント
  • 新型コロナウイルスと戦う医療の「武器」は、段階的に投入される見通し。2020 年第 2 四半期には検査と行動追跡の実施、2020年後半に既存薬の転用と予防抗体の使用、2021 年以降にワクチン完成の見込み
  • バイオ医薬品セクターは、パンデミックとその後の期間において他のセクターより高い耐性を維持する可能性があり、パンデミックに対する直接的、間接的な解決策となり得る
  • 先を見通すと、大手バイオ製薬会社はより強くなる可能性も

新型コロナウイルスに関して分かっている点と分かっていない点


新型コロナウイルス (SARS-CoV2) は、感染症 (COVID-19) を引き起こす新たなウイルスで、これまでヒトに見られなかった新たな病原体です。世界中で感染者は360 万人以上、死者は 25.8 万人以上に上っています*1


この病原体はヒト以外の種 (おそらくコウモリ由来で、中間宿主 (センザンコウか)を経て) からヒトに伝播した、非常に感染力の強いウイルスです。感染率を表す基本再生産数 (R0) は当初推定で 1.5~4.5 と、絶対水準としては高いものの、過去に見られたウイルスと比べると特に高いものではありません (例:はしかは 15、MERS (中東呼吸器症候群) は 5、スペイン風邪とエボラ出血熱は 2) 。公衆衛生における対応の主な目的は、再生産数を 1 未満に下げること、つまり 1 人の感染者が感染させる人の数を 1 人より少なくすることです。


1. 2020 年 5 月 6 日現在。出所:Bloomberg



ローラ・ネルソン・カーニー 株式アナリストとして、アジア・欧州地域の製薬およびバイオテクノロジー企業、アジアのライフサイエンス企業を担当。経験年数7年。入社以前は、サンフォード・C・バーンスタインにおいて、アジア太平洋地域のヘルスケアセクター担当株式アナリストとして勤務。それ以前は、マッキンゼー&カンパニーの経営コンサルタント、メルクのリサーチ・サイエンティスト、インペリアル・カレッジ・ロンドンの博士研究員を務めた。


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