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インフレを見極める:大規模な金融緩和と財政政策の影響を考察
アンドリュー・コーマック
債券ポートフォリオ・マネジャー
キーポイント
  • 金融市場と経済のファンダメンタルズのかい離が広がっているようだ。景気回復の勢いが強まれば、投資適格社債やハイイールド債券など一部の市場では価格が下落する可能性がある
  • 米国の FF レートがゼロ近辺で維持されているなか、実質経済成長率や金利がより高い国の通貨が魅力的
  • 感染症を抑え込んだ一部の国や地域では、高い実質金利や魅力的な投資機会を提供している

新型コロナウイルスのワクチン接種が史上最大規模で開始されるなか、リスク資産の価格は、ワクチンの物流上の課題や、北半球の冬季の感染拡大に伴う都市封鎖による成長の下振れリスクが存在しないかのような動きを見せています。S&P500 種指数は過去最高値水準で推移し、多くの投資適格社債のスプレッドはコロナ禍以前の水準に戻っています。これは市場が最善を織り込んでいるためとみられます。中央銀行による緩和的な金融政 策や直接的な市場への関与、そしてそれに伴う良好な需給が、クレジット市場におけるリスク選好姿勢を支えています。ただし、現在の価格水準は経済のファンダメンタルズを反映したというよりも、金融緩和を大きく織り込んでいるとみられます。先進国の金融政策は当面の低インフレを前提としているため、今後数年間にインフレがどう進行するか見極めることが、リターンを決定する重要な要因となります。



アンドリュー・コーマック キャピタル・グループの債券ポートフォリオ・マネジャー。経験年数19年、在籍年数5年。キャピタル・グループ入社以前は、ウエスタン・アセット・マネジメントにおいてポートフォリオ・マネジャーとして勤務。Investment Management Certificate資格保有。


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