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債券
4つの主要クレジット資産におけるインカム獲得の機会を探る
ダミアン・ マッキャン
債券ポートフォリオ・マネジャー
フラビオ・ カルペンザーノ
債券インベストメント・ディレクター
キーポイント
  • 債券利回りの上昇を背景に、インカム獲得の機会が再来している。インカムは、価格変動の激しい局面においても価格下落による損失を相殺する緩衝材 (クッション) の役割が期待される
  • 市場に不確実性が漂うなか、スプレッドのばらつきや格差の拡大は今後も継続する見通し
  • 複数の資産クラスを組み合わせることで、ポートフォリオの分散効果を高めながらインカム獲得の機会を追求

世界的に利上げサイクルがピークにさしかかるなか、債券市場も転換点を迎えています。


クレジット市場ではさまざまな資産クラスで投資機会がみられ、最低利回りは5.5%から8.5%の水準 (次項の図) と、長期的にプラスのトータルリターンが享受できる条件が整っています。


最低利回りは年率トータルリターンの予想値であるため、資産クラスによっては株式よりもボラティリティが低く、より長期間にわたり魅力的なプラスのトータルリターンを享受できる可能性があります。


一貫したインカムや安定的なリターンを求める投資家にとって、投資適格社債や証券化商品などの高格付け債券から良好な利回りを享受できる現在の環境下においては、特定の資産への集中投資ではなく、リスク分散のためにアプローチを多様化させることが適切であると考えます。


本稿では、4つの主要クレジット資産の見通しについて述べます。各資産クラスは異なる特徴を有しているため、これらの資産を組み合わせることで、良好なリスク・リターン特性を持つインカム・ターゲットを設定することができると考えます。


4つの主要クレジット資産の見通し


経済成長がさらに減速する可能性を踏まえ、質の高い米国ハイイールド社債に注目しています。需給面での支援材料のひとつは、大規模な借り換えニーズが当面なく、新発債も相対的に少ないことです。さらに、米国ハイイールド指数の50%超がBB格*1と格付は高く、直近の利回りはこれまでと比べて高い水準にあります。


リスクを回避するにはファンダメンタルズリサーチが重要となります。弊社グループでは、発行体ごと割安な投資機会に注目し、資産運用会社、証券取引所、証券会社などキャッシュフロー創出力が高く、アセットライトで、現在の市場環境下で恩恵を受ける企業に選別投資をしています。これらの企業は取引高に応じた継続的な収益源があり、なかには景気低迷時や金利上昇局面においてシクリカル性の高い企業よりも優れたリターンを提供する企業もあると考えます。


1. ブルームバーグ米国ハイイールド社債2%発行体キャップ指数。2023年7月末現在。



ダミアン・マッキャン 債券ポートフォリオ・マネジャー。経験年数23年。現職以前は、債券アナリストとしてエネルギー、レジャー宿泊施設、鉄道の調査を担当。CFA協会認定証券アナリスト。

フラビオ・カルペンザーノ インベストメント・ディレクター。経験年数18年。入社以前は、アライアンス・バーンスタインにおいて債券シニア・インベストメント・ストラテジストとして勤務。それ以前は、PIMCOにおいてクレジット戦略のプロダクト・マネジャーとして従事。イングランド銀行でキャリアをスタートし、市場部門のアナリストを務めた。


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