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アクティブ運用
株式市場の 3 つの論点とアクティブ運用の役割
天池 勇太
インベストメント・ディレクター
キーポイント
  • 市場環境の変化を踏まえて、投資家はポートフォリオを見直す局面を迎えている
  • 金融市場では依然として先行き不透明感が漂っているが、金融不安については実体経済への影響は限定的とみる
  • 現在の市場環境と類似点の多い1970年代を振り返ると、インフレは一度沈静化した後に再燃した (第二波) 。こうした局面ではポートフォリオにおける株式の役割が重要
  • 長期的な時間軸でみると株式市場における集中と分散*1 は繰り返し観測されているが、分散期にはアクティブ運用の有効性が高まる傾向がある

2020年以降の経済環境


2020年を境に、経済環境は大きく変化しています。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020年前半は株価の急落、個人消費の減少、失業率の上昇といった経済・金融面での大きな落ち込みが多くの国で見られました。それに対応して、先進国を中心に前例の無い規模の財政・金融刺激策が実行されました。政策やワクチン接種の普及効果もあり、2021年以降は経済活動が徐々に再開されました。一方で、サプライチェーンの混乱はウクライナ紛争によって拍車がかかり、世界的にインフレが高進しました。各国の中央銀行は金融引き締めを迫られ、早いペースでの利上げを余儀なくされました。資本市場は動揺し、2022年は株式と債券がそろって下落する年となりました。本稿では、現在の株式市場をとりまく3つの論点 (システミックリスク、インフレ、市場の集中) と、このような市場環境におけるアクティブ運用の優位性についてご紹介します。


1. 時価総額上位企業への集中度が高まる局面と集中度が緩和される局面



天池 勇太 キャピタル・インターナショナル株式会社のインベストメント・ディレクター。キャピタル・グループ入社以前は、野村アセットマネジメントでポートフォリオ・マネジャーを務めた。CFA協会認定証券アナリスト。東京オフィス在籍。


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