Capital IdeasTM

Investment insights from Capital Group

Categories
機関投資家の皆様へ
日本株ポートフォリオ・マネジャーの郭 成慶と堀口 章に聞く
堀口 章
株式ポートフォリオ・マネジャー
郭 成慶
株式ポートフォリオ・マネジャー

日本は、新型コロナウイルスに加えて、固有の課題とも闘っており、多くの逆風に直面しています。しかし、経済に嵐が吹き荒れる中にあっても、明るい部分も見られます。


今回の Q&A では、日本株式共同運用統括責任者である 2 人のポートフォリオ・マネジャーに、日本の株式市場の今後の見通しを聞きました。


新型コロナウイルスが日本経済に及ぼした多大な影響を踏まえて、日本の株式市場に対する見通しを教えてください


郭:4~5 月の日本経済は、新型コロナウイルス感染拡大を封じ込めるための外出や店舗営業の自粛要請の影響で、大幅に落ち込みました。しかし、日本における感染状況は正常化しつつあり、1 日の新規感染者数は減少しています (5 月中旬以降、1 日の新規感染者数は 100 人を下回っています*1) 。日本では感染爆発がピークを超えたとみられるため、多くの投資家は経済活動の緩やかな回復を見越して 投資しています。加えて、大規模な流動性注入 (日本銀行による資金供給オペ) と財政刺激策 (今年の出動規模は 234 兆円*2) も、経済に関する懸念を緩和するとともに市場のセンチメント向上に寄与しました。これらの様々な押上げ要因が重なっ たことで、依然として下方修正が続く企業業績に先駆けて株価が回復しています。企業業績についても、経済活動の再開に伴って今後数ヵ月で底打ちすると予想しています。


TOPIX は 4 月と 5 月の合計で 11%超上昇しました*3。しかし、より長い時間軸で 見ても、日本株式は新型コロナウイルスに伴う下落局面において、世界の株式市 場の中でも比較的底堅いことが示されました。TOPIX の年初来 (5 月末まで) の下落 率は 8%を下回っています*3。バリュエーションの観点では、日本株式の平均 PBR は 1.2 倍*4と過去最低水準にあり、非常に良好なリスク・リターンの機会となって いる可能性があります。


*1 2020 年 6 月 2 日現在。出所:WHO
*2 2020 年 6 月 11 日現在。出所:ブルームバーグ
*3 出所:TOPIX、RIMES



堀口 章  キャピタル・グループのパートナー兼キャピタル・インターナショナル株式会社取締役。株式ポートフォリオ・マネジャーであり、日本株式運用統括責任者。経験年数29年。現職以前は、東京オフィスにおいて株式アナリストとして国内中小型株式の担当を経て、ジュネーブ・オフィス勤務。入社以前は、メーズピアソン・キャピタル・マネジメント・ジャパンにて2年間、ガートモア投資顧問にて3年間、国内株式のファンド・マネジャーを務めた。日本証券アナリスト協会検定会員。

郭  成慶 日本株式における運用統括責任者。経験年数36年。入社以前は、米国山種証券の証券アナリストを経て、日本株アナリストとして米国スカダー・スティーブンス・アンド・クラークに入社。その後、同社東京オフィスにて日本株調査を総括、米国The Japan Fundを含む特化型日本株ファンドのリード・ファンド・マネジャーを務めた。エール大学大学院で国際関係学の修士号、米国ミドルベリー・カレッジで哲学の学士号を取得。CFA協会認定証券アナリスト。


過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。投資の価値および投資収益は減少することも増加することもあり、当初投資額の一部または全部を失うことがあります。本情報は投資、税務もしくはその他の助言の提供、または証券の売買の勧誘を意図するものではありません。

個人に帰属する記述は、その個人の出版日現在の意見を述べたものであり、必ずしもキャピタル・グループまたはその関連会社の意見を反映したものではありません。特に明記がない限り、すべての情報は記載された日付現在のものです。一部の情報は第三者から取得したものであり、そのため、かかる情報の信頼性については保証いたしません。