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ヘルスケア
ヘルスケアが次の強気相場を牽引する4つの理由
クリストファー・ リー
株式アナリスト
ダイアナ・ ワグナー
株式ポートフォリオ・マネジャー

2022年は市場のボラティリティが高まり厳しい環境が続いていますが、ヘルスケアセクターはある程度の耐久性を発揮している数少ない業種のひとつです。


ヘルスケアサービスに対する底堅い需要を踏まえると、同セクターが市場変動や景気サイクルの影響を受けにくいことは意外ではありません。実際に同セクターは過去8回の、株式市場が15%以上下落した局面で、いずれも世界株式市場をアウトパフォームしました*1


米国の医薬品およびバイオテクノロジー企業を担当する株式アナリストのクリストファー・リーは、ヘルスケアセクターの一部企業では業績見通しが明るく、今後数年間にわたって魅力的な投資機会を提供する見込みのある企業もあると述べています。


医学博士号を持つリーは、「パンデミック以降、ヘルスケアはさまざまな理由から優れた投資先として注目を集めています。最初は新型コロナウイルス感染症のワクチンと治療薬を開発したバイオ医薬品会社でした。市場に不透明感が漂うなか、他のヘルスケア企業もそのディフェンシブ性を評価され恩恵を受けています。」と述べています。


イノベーションは医薬品開発、DNAシークエンシング、データ収集、ヘルスケアサービス分野においても加速しています。活発な企業の成長を促し、長期投資家に投資機会をもたらしています」とリーは述べています。


ヘルスケアセクターは、2020年代のが世界株式市場を主導する役割を果たすのでしょうか。


株式ポートフォリオ・マネジャーのダイアナ・ワグナーは、「市場の次世代の牽引役は、弱気市場の終盤に登場する傾向があります。ヘルスケアが次の強気相場の牽引役になるかははまだ分かりませんが、大手ヘルスケア企業の多くは配当の水準が高く、イノベーションの加速による成長性が見込め、株価評価 (バリュエーション) が魅力的な水準となっています。その中でも、優れた経営力を発揮する企業は次の強気相場の牽引役となる可能性があると考えています。」と述べています。


本稿では、ヘルスケアセクターが黄金期に差し掛かっている4つの理由とと投資家への影響について株式アナリストのリーと株式ポートフォリオ・マネジャーのワグナーがご紹介します。


*1. S&P500種指数 (トータルリターン) が15%超下落した期間における、MSCI ACWIおよび各セクター指数のトータルリターン。期間:1998年7月17日–1998年8月31日、2000年3月24日–2002年10月9日、2007年10月9日–2009年3月9日、2010年4月23日–2010年7月2日、2011年4月29日–2011年10月3日、2018年10月3日–2018年12月24日、2020年2月19日–2020年3月23日、2022年1月3日–2022年6月30日 (計8回)。



クリストファー・リー  株式アナリスト。米国の医薬品、バイオテクノロジーを担当。経験年数15年。入社以前は、フランクリン・テンプルトンにおいてポートフォリオ・マネジャーおよびアナリストを務める。

ダイアナ・ワグナー  株式ポートフォリオ・マネジャー。経験年数25年。現職以前は株式アナリストとして、グローバルの半導体製造装置と紙製品・林産品、米国のヘルスケア・サービスと半導体設備企業の調査を担当。入社以前は、INGベアリング (ロンドン) 、SBCウォーバーグ(ニューヨーク) に勤務。


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