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BBB格社債市場:投資の着眼点
華村 啓陽
インベストメント・ディレクター
ハイライト
  • BBB 格社債市場はこの数年で劇的に拡大し、2020 年 3 月末の市場規模は 2.3 兆米ドルと、投資適格社債市場 (金融を除く) 全体 4.0 兆米ドルの 58%を占める。企業の M&A (合併・買収) が BBB 格社債市場拡大の最大の要因
  • 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、投資適格からハイイールド債への格下げ、いわゆる「フォーリン・エンジェル」が増加。2020 年通年では 3,500 億米ドルに達すると推定*1。現状 BBB 格を維持している発行体の多くも、業績悪化によって将来的に格下げを回避できなくなる可能性も
  • こうした環境を乗り切る上でアクティブ運用は極めて重要。発行体の経営陣とその投資適格維持に対する意思を真に理解し、格下げの可能性を過度に織り込んだ債券価格を捉えることができれば投資の恩恵を享受しうる

BBB 格社債市場の拡大


BBB 格社債市場の規模は、投資適格社債市場 (金融を除く) の半分以上を占めます。 2020 年 3 月末の BBB 格社債の市場規模 (2.3 兆米ドル) は、9 年前の投資適格社債市場全体 (2011 年末の 1.8 兆米ドル) を上回っています。弊社グループでは次の 2つの理由から、市場の非金融セグメントに注目しています。


① 2008 年~2009 年に見られたように、金融企業の格付けは極端な市場環境の 影響を受けやすい


② 金融企業の発行する債券は大半が A または BBB 格となっており、事業債よりも格付けの集中度が高い。金融企業を除外することで、市場サイクルや格付セグメント全般にわたり、格下げ等のリスクを的確に分析できる


*1. モルガン・スタンレーによる推定



華村  啓陽 キャピタル・グループのインベストメント・ディレクター。経験年数16年、在籍年数6年。キャピタル・グループ入社以前は、ブラックロックの債券プロダクトストラテジストを務める。


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