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2023年後半の見通し

2023年も半ばに差しかかり、私たちは極めて深刻な不確実性と変化に直面しています。世界の経済や金融市場、産業もそれぞれ変化の岐路に立っています。市場は、あるセクターに投資したら他を避ける、米国に投資したら米国以外を避ける、といった二者択一の世界から、幅広く投資機会を見出そうとする、よりバランスの取れた環境へと移行しつつあります。


これまでは、一握りの大手インターネット関連企業への集中度が高まっており、他の企業の影響は無視することができました。しかし、インフレの脅威や利上げの可能性を恐れずに、ゼロに近い低金利で借りた資金を気前よく使えるような時代は終わったのです。


投資家の視点からすれば、これは朗報と言えます。市場はもはや一極集中ではなく、魅力的な投資機会が豊富な環境へと変化しています。米国企業だけでなく米国外企業も、グロース株だけでなくバリュー株も、テクノロジー関連だけでなくヘルスケアや資本財・サービス、エネルギーも、短期債だけでなく長期債も、国債だけでなく社債も、といったように、投資機会の幅が広がっています。入念な調査を行えば、景気循環的な投資機会と長期安定成長の投資機会の両方に投資できる環境となっています。


また、2022年の下落局面において一部の企業の株価は下がりすぎたと考えています。事業モデルが損なわれておらず、利益が出ている企業であれば、株価上昇余地が大きいとみています。今年はこれまでのところ、テクノロジー関連と消費関連の企業の回復力が印象的です。


リスクも高まっています。市場リスクや経済的リスクだけでなく、政治的リスクも高まっています。米国は中国にどう対応するのか。ウクライナ紛争はさらに拡大するのか。銀行セクターの危機に規制当局はどう対処するのか。投資判断にあたっては、こうした問題をすべて考慮する必要があります。また、長期にわたって利益を上げるためには、短期的な痛みを受け入れることも求められます。


実際、アクティブ投資家にとって望ましい局面であると言えます。世界中の投資機会を探しつつ、市場や経済の動向、リスクの高まりにも配慮することが、これまで以上に重要となっています。不確実性の高まりを受けて、投資家は手元資金を厚めに確保しています。今は、そのキャッシュの活用を考えるべき時かもしれません。



過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。投資の価値および投資収益は減少することも増加することもあり、当初投資額の一部または全部を失うことがあります。本情報は投資、税務もしくはその他の助言の提供、または証券の売買の勧誘を意図するものではありません。

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